DeNA キュレーションメディアWelq騒動から見るWebの著作権問題

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もう誰も知る事になったDeNAの運営するキュレーションメディア、Welq騒動。

これをきっかけにDeNAは自社が運営する全てのキュレーションメディアを閉鎖。

またリクルート等他社が運営するキュレーションサイトも閉鎖やチェックのため一時的に非公開等の対応をするといった”キュレーション大騒動”がおきています。

でもこれ、実は他人事じゃありません。

※前置きが凄く長いです笑。時間がない方はSNSで著作権は崩壊した、からお読みください。

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Wellの犯した罪

思えばそもそもきっかけは様々な医療に関するワードの検索ランキング上位を独占したWelqの記事の中に、「肩こりは霊が原因の可能性もある」やらっていう信憑生もへったくれも無い以前にそもそも医療をすっ飛ばしてオカルトだったという意味不明な記事や、「自殺」をキーワードにしたページ内記事の内容が最終的にアフィリエイトリンクへの誘導だった等、どちらかというとモラルを逸した記事への不満から繋がったものだと思います。

最終的にクローズアップされた今回の騒動の原因はキュレーションサイトの記事作成方法でした。

皮肉にもこれは僕のようなWebで収入を得るフリーランスの人間にも大いに関わってくる部分です。

既出の通り、DeNAはじめほとんどのキュレーションサイトでは外部のライターを雇って記事を量産していました。

その外部のライターとはランサーズやクラウドワークスといったクラウドソーシングサイトで募り、1文字0.5円みたいな契約で記事を執筆させるというやり方。

この辺は他ブログやニュースサイトでも詳細が語られていますのでこの記事では深く言及しませんが、やはり医療という専門性の高くかつ命に関わる記事を素人が書くというのはモラルの面から見ても納得はできませんよね。

ただえさえ切羽詰まっている状況(例えば指をざっくり切ってしまった時の対処法とか子供が高熱を出したとか)で必死に検索して出てきた記事に「除霊をオススメします」なんて書かれてあったら自分の生き霊がそのキュレーターの元へ降臨するであろうぐらい腹立つ自信があります。

って冗談が言える程度に「絶対違うだろ!」って内容ならまだいいんですが、素人がそう判断できない内容でさもそれっぽく、でも間違った情報が書いてあったらそれに従っちゃいそうですよね。

そして今回の騒動の大元である記事作成。

確実にキュレーションという一つのメディアの形を失墜させた騒動になりました。

Webと著作権

そもそもキュレーションとは何か。

ウェブ上のコンテンツを、ある特定のテーマや切り口で読みやすくまとめ、編集・共有・公開するサービスウェブサイトの総称。人の手によってまとめられるほか、閲覧者の興味や関心に応じて、自動的に収集・編集されるものもある。

コトバンク キュレーションサービスより

つまり、キュレーション自体が引用の塊であると言えます。

Web上に散らばる無数の情報を1つの情報体としてわかりやすくまとめるサービス。

もちろん全ての情報をキュレーター自身のオリジナルコンテンツであればその必要性はありませんが、ほとんどの場合引用する事によってその記事自体が出来上がります。

という事は本来、キュレーションサイトの記事の中には引用が多くなされるはずなんですね。

引用は出典を明記し、Webの場合だとblockquoteというHTMLタグでマークアップする必要があります。

blockquoteタグでマークアップするとその部分は引用である事が明示(あくまで機械的に)されます。

そして人間の目にはマークアップ云々ではなくパッと見て引用であると分かるようにすればいいのです。

ちょうど先程のコトバンクさんから引用した部分、背景色も変わっていますし出典も明記してあり誰がどう見ても引用が成立している、これが引用の正しい使い方です。

でもそんなキュレーションサイトありましたっけ?

キュレーション=パクリという印象がついてしまった

じゃあ肝心のキュレーションメディアはどうだったかというと、彼らが行っていたのは引用とは全く違います。

もう皆さんご存知の通り実情はただのパクリでした。

色々なWebサイト上から情報をかき集め、様々な記事や文を繋ぎ合わせてただのコピー&ペーストではないという状態にし掲載。

いわばコピペの偽装ですね。

結局彼らがやっていた事はコピペを繰り返して繋ぎ合わせた記事を更にパクリだと指摘されないように語尾や言い回しを変えたり、そのコピペの塊にちょろっと自信の見解を加えた彼ら曰く”リライト”。

もうね、リライトって言わないでほしい

リライトとは本来、古くなった情報や更に役立つ情報を書き足したり書き直したりする行為であって、パクった他人の著作物を切り貼りする行為とは全く別のものです。

このリライトは僕みたいなブロガーはもちろん、Webサイト運営者が日々欠かさず行っている行為です。

それがSEOの為なのかそれとも情報を真に欲している人に対してかは個々人の都合があるでしょうが、日々記事の品質を保つ為の手入れを怠っていない訳ですね。

それを自分達の行為を正当化する為にリライトしているなんて言われるのは一人のWeb運営者として気分悪いですね。

結局DeNAが起こした今回の騒動は、元からインターネットに対して明るくない層(高齢者が多く該当しますかね)をまたネットから遠ざけてしまいました。

インターネットの情報=信憑生がない、と。

どっかで聞いた言葉ではありますが、ネット上は顔が見えない分情報を見極める力は確かに必要です。

顔を合わせて平気で嘘をつくのと、画面の向こうで嘘をつくのではそのハードルは格段に違うでしょうからそりゃ噓偽りの情報も多く溢れ返るのは必然とも言えます。

それができない層は個人的にネットを使うべきじゃないと思っています。

と言っても今の時代、ましてこれから本格的にIoT時代を迎えるのに完全にネットワークから切り離された生活なんてもう無理でしょう。

生活のどこかしらに既にネットワーク技術は使われているんですから。

で、実はここまでは前置きです。

本当に記事にしたかった内容はここから。

SNSで著作権は崩壊した

皆さん当然ながらほとんどの方はSNSをやられていると思います。

思いつくだけでもTwitter、Facebook、Instagram etc…

もちろん僕もやっていますし、SNSの手軽さと利便性は個人的には無くてはならないレベルのものになっています。

僕の場合ほとんどは情報発信よりも情報収集に使っているのですが、やはり今リアルタイムの生の声を聞けるというのは本当に便利で、そういう理由から他の2つに比べてリアルタイム性が強いTwitterは特に愛用しています。

で、先ほどのWelqの一件でもつらつら書いた著作権。

インターネットが普及してから、日本中にインターネットと著作権をセットで大きく語られるのは今回が3回目だと思います。

1回目:Peer to Peerクライアント

1回目は今や懐かしいWinnyやShare、BitTorrentに代表されるようなPeer to Peerソフト。

一般的にはファイル共有ソフトと言った方が馴染みがあるでしょう。

やれ最新の映画が公開されたやら人気アーティストの最新アルバムが無料で手に入るやら、主にWindowsXP~Vista時代はこの手のソフトを使用しての著作権侵害がよく報道されていたような気がします。

でもWinnyやShareでの著作権侵害は、クライアントソフトをダウンロードして各種設定を済ませ、更にPeer to Peerソフトの特性上キャッシュを自分のローカルに保存していくようにしなければなりません。

つまり、当時インターネットやパソコンに明るくない層にとっては一定のハードルがあったと言えます。

設定が出来ない、ポート開放が出来ないとの理由で利用を断念した人もいたかも知れませんね。

(断りを入れておきますが決してPeer to Peerと言う技術が悪いと言う事ではありません。その技術を使って著作権を侵害したと言う事実が悪であり、Peer to Peer技術そのものへの批判は人を刺した包丁を規制すべきと同じぐらいアホな話です)

2回目:動画共有サービス

いわゆるYoutubeやニコニコ動画がこれに該当するでしょう。

ただ、正直これに関しては1回目に比べそんなに熱量が高かったとは思いません。

あんまりテレビ等でニュースになる事も無かったですからね。

勝手な予測ですが、これはWinnyやShareに比べて導入のハードルが低かったからかなあと思います。

だって簡単な会員登録したり、リンクされたURLをクリックするだけですからねえ。

Youtube登場が2005年頃だったと思うんですが、同時に日本ではmixiやらGREEやらのコミュニティサイト(当時はSNSって言わなかったよね)が登場してインターネットは情報を集めるツールからより自身が発信するツールになったと思います。

そしてここで欠かせないのが携帯電話。

個人的には携帯電話×コミュニティサイト×動画共有サイトの3つが相乗効果で日本のネット上における著作権に対するモラルの低下を招いたんだろうなあと感じています。

もちろんどれも素晴らしい技術やサービスですし、最早どれも今の世の中無くてはならないものだと思っています。

携帯電話はスマートフォンとして進化を遂げiPhone3G登場時は「そんなもん誰が買うかよw」な状態だったのに今や高齢者でも小学生でも持っている時代です。

コミュニティサイトはSNSと言う総称で広く呼ばれ、デマの投稿等々で振り回される事も多々ありますが災害時にこれで人命救助に繋がったとの話もありました。

動画共有サービスはもちろんこのブログも含め、文字と画像だけでは伝えきれない部分を手軽に見せると言う、一昔前の出来るだけクライアントが受信するパケットを減らすため画像の容量を削ろう!みたいな時代では考えられないぐらい当たり前の物になっています。

でも本当はここでもっと著作権に対するモラル向上を図るべきだった、これは個人的に日本におけるインターネットというインフラ成長の失敗(弊害?)だと思っています。

3回目:SNSの発達

先述しましたがコミュニティサイトはSNSと呼ばれ更に大きな進歩を遂げました。

FacebookでありTwitterであり、なんにしても一昔前のコミュニティサイトであった”日記”や”ブログ”機能から「今なにしてる?」なんて手軽な投稿が出来るようになったのは大きいでしょう。

このSNSの発達で著作権法は完全に形骸化しました。

だって簡単じゃないですか、動画のURLを貼り付けて「面白い!」とかなんとか書けばもう何十人何百人はもちろん、リツイート機能で何万人にも著作権侵害動画を簡単に共有出来ます。

そして何より問題なのがユーザー自信がそれを悪いと思っていない事。

それだけならまだしも「面白い、かっこいい動画を共有している自分」に酔ってる節すら見受けられます。

著作権を根底から考え直さないと日本はダメかも知れない

個人的に軽い絶望を覚えたのは、Welqの一件でとあるユーザーのツイートを見た時です。

確か3,000RTぐらいされていたでしょうか。

ツイート内容は

「DeNA他人の書いた文章パクってたとか最低だな、クズじゃんw」

みたいな感じだったと記憶しています。

で、その人のタイムラインを試しに見てみたら出てくるわ出てくるわ某ジャニーズアーティストのライブ映像のアップロード映像。

それ以外にもTV出演した映像や雑誌、新聞なんかを携帯で撮ってアップロードした物も沢山。

もうね、お前どの口でそれ言ってんだと。

個人的にはいくらパクっていても、語尾や言い回しを書き換えてパクリだと分からないように努力(と言って良いか分かりませんが)していた分まだDeNAの方が幾分マシだとすら感じました。

だってこの人の場合パクリも何もモロに著作権侵害してるんですから。

謎のファン理論

ご存知の方が居るかどうかさておき僕L’Arc-en-Cielの大ファンなんです。

もちろんTwitterでもラルクファン(通称ドエル)をフォローしてる訳なんですね。

もう言わなくても分かりますよね。

このブログのアカウントも本アカウントとは違う、趣味用に作成したTwitterアカウントなので初めて趣味垢と言う物を作成したんですがみんな驚く程簡単に著作権侵害しまくってたんです。

タイムライン上に簡単に流れてくるhydeの歌唱姿。い、いやそれライブ映像なんですけどなんで感動するとかってコメントつけて余裕で著作権無視してるんですかね・・・

正直始めはビビりました、僕自信がミュージシャンという事もあり僕の周りにはそんな事する人間今までほとんどいませんでした。

だってみんなクリエイター側の立場の人間ですから、自分の著作物はもちろん他人の著作物に対しても一定のリスペクトがあります。

ところがファンの立場になると同じファン同士で盛り上がれるからでしょうけれど、みんな簡単にTV映像やらライブ映像やら雑誌やら新聞やらととりあえず片っ端からアップロードしてしまうんです。

そしてそれを「かっこいい!」とか「可愛い!」とか簡単にシェアしてしまうんです。

自分が大好きなハズのアーティストの著作権をいとも簡単に、まるでそれが正義かのように蔑ろにしている現状。正直理解出来ません。

TVや雑誌や新聞は各メディアに著作権にがあるので一旦置いておいたとしても、少なくともライブDVDやCD音源の著作権はアーティストに帰属します。

つまりその権利を侵害する事はアーティスト自信のクビを絞めている事になるんです。

それでファンとか言ってんの?マジで?頭大丈夫?

そして更に謎なのが、TV映像や雑誌の画像は簡単にアップロードしてしまうのに、ファンクラブの会報の画像だけはアップロードされるとえらい剣幕で叩くんです。

「会報アップロードすんのやめろ!」と。

彼らの脳内ではどういう理論が組み立てられているか分かりませんが、とりあえずファンクラブの会報だけは守られる動きのようです。

多分その真相は同じくファンクラブに入っている会員が「(まだ私が見ていないから)やめろ」みたいな事だと思うんですけどね。

そもそも著作権の認識をしていないんじゃないだろうか

ここまで実際に僕が見たものは多分色んな人が見ているSNS上での著作権侵害の現状でしょう。多分みんな1度はご自身のタイムライン上でテレビ映像なんかを見たことがあるはず。

ここから考えられる事は、多分誰もテレビの映像自体に著作権がある事を認識していないんじゃないのかと言う説です。

テレビでハリーポッターが流れればツイッターには若かりし頃のダニエル・ラドクリフとエマ・ワトソンが並びますし、この時期増える音楽番組が放送されるとほぼリアルタイムで歌唱姿の画像がアップされ、歌唱後5分もするともう歌唱映像がアップされます。

ここまで手軽に著作権を侵害するって事は、もう著作権があると認識していないと考えたほうが自然です。

自分が映像をアップロードするとリツイートやいいねがいっぱい貰える、同じ作品やアーティストのファンから喜ばれるしコミュニケーションが取れる、と。

そう考えるともう怒りを通り越して若干の哀れみを覚えます。ああ、この人達って言葉だけじゃなくて犯罪侵さないとコミュニケーションも取れないんだなあと。

著作権の認識を変えるには著作者本人の力が必要

残念ながら、今現実的に考えられる最良な手段ってこれなんだと思います。

多分自分が好きなアーティストが「映像配信や雑誌等のアップロードはやめてほしい」とツイートでもすれば多分そのファンは少なくとも一定の割合で、かつコアなファン程やめて今度は叩く側に回るでしょう。

「○○がやめろって言ってるんだからやめて!」てな風に。

ただ1つ問題があって、著名な著作者ならともかくそうじゃない著作者にとってはSNSでのシェアは自分の作品を発表出来る一つの場になっている事です。

もちろんこれを著作者自身がやっているのなら問題無いですし、著作者がちゃんと利用の許諾をすれば良いんですが少なくともそういう動きは見られないでしょう。

この辺に対してちゃんと「許可出すよ!」とか「ダメだよ!」って言う発信がされない限りもうとまらないと思っています。

後は法の力、つまり著作権違反者の検挙ぐらいでしょうか。

ただしこれは相当ハードルが高いでしょう。著作権違反者を片っ端から検挙していたら人員がいくらあっても足りませんしね。

先述したWinnyやShareはテレビでの検挙が報道される度に一定の効果があったらしいという話をどこかで耳にしたので、それが本当であれば例えばアーティストの動画をアップロードしてBotとしてツイートしているようなアカウント作成者を検挙してやれば一定の抑止力にはなるような気がしています。

まとめ

今の日本の著作権は完全に形骸化、とりあえず最低限あるだけの法律になっています。

著作物って言うのはその著者に取って商品になっている可能性があるもので、例えばアーティストなんてその最たる例です。

その著作物の著作権を侵害するという事はその人に「お前の仕事に払う金はない」と言っているようなもんです。

こんな残酷な話あるでしょうか。そしてこんな残酷な事をしておいて本当にファンといえるのでしょうか。

少なくとも僕はタイムライン上にラルクが登場する度に悲しい気持ちになりますし、「お前ドエル名乗るのやめろや」ぐらいには思っています笑。

・・・でも一番の問題はこういう事書いたって、本当に読んで欲しい人達には多分読んで貰えない事なんだろうなあ・・・。