iPhone 11シリーズのWi-Fi6(IEEE 802.11ax)搭載で確実に需要が高まっているWi-Fi6対応ルーター。
まだまだ出始めの段階で種類も少ないですが、高機能で多彩でありメッシュWi-Fiにも対応したASUS ROG Rapture GT-AX11000をメーカーさんからお借りする事ができましたので、徹底的にレビューしていきます!
Wi-Fi6対応ルーター最高峰!ASUS ROG Rapture GT-AX11000
ASUS ROG Rapture GT-AX11000は執筆時(2020年2月)時点でASUSのWi-Fiルーターフラグシップモデルで、非常に多彩な機能が詰まったガジェットです。Wi-Fi6という名称は2019年から使われるようになりましたが、ASUSはその名称が正式決定する前の2018年末に他メーカーに先駆けRT-AX88UというWi-Fi6対応ルーターをリリース。
約半年後の2019年5月にこのASUS ROG Rapture GT-AX11000が発売されました。
他メーカーに比べて半年弱Wi-Fi6の評判をユーザーから得て作られた1台、これでもかと魅力的な機能が詰まっています!
Wi-Fi規格 | IEEE802.11a IEEE802.11b IEEE802.11g IEEE802.11n(Wi-Fi4) IEEE802.11ac(Wi-Fi5) IEEE802.11ax(Wi-Fi6) |
アンテナ本数 | 8本 |
周波数 | 2.4GHz / 5GHz×2(トライバンド) |
CPU | 1.8GHz クアッドコア |
メモリ | 1GB(メインメモリ) 256MB(フラッシュメモリ) |
ポート | WANポート(最大1Gbps) LANポート×4(最大1Gbps) WAN/LAN兼用2.5ギガビットポート USB 3.1 Gen 1ポート×2 |
セキュリティ | WPA-PSK WPA2-PSK WPA-Enterprise WPA2-EnterPrise WPS |
ペアレントコントロール | デバイス制限・時間制限 |
メッシュWi-Fi | ○ |
最大機器接続台数 | 36台 |
対応OS | Windows / Mac / Linux |
ASUS ROG Rapture GT-AX11000の特徴
ASUS ROG Rapture GT-AX11000はゲーミングルーターという位置づけですが、これからIoTの発展で本格的に重要になるWi-Fiを最大限活かせる充実したスペックを持っています。特に重要な特徴を見ていきましょう!
最新のWi-Fi6に対応
まずはこれ、現状このWi-Fi6対応が最も特徴的な部分でしょう。
Wi-Fi6はまだまだ新しい規格で、先述した通りASUSはWi-Fi6という名称制定の前からRT-AX88UをリリースしWi-Fi6に取り組んで来ました。
iPhone 11シリーズが対応した事でこれからWi-Fi6が標準になっていく事が予想されますが、最大4,804Mbpsという速度が実現可能。
Wi-Fi6については以下で詳しく解説しています!
Wi-Fi6に対応しているかどうかで速度は雲泥の差!
メッシュWi-Fi(AiMesh)に対応
メッシュWi-Fiは複数台のルーターを組み合わせて、電波が弱いところでも効率良く切り替え無しにWi-Fi通信ができるようになる機能。
複数の対応ルーターが必要ですが、例えば今RT-AX88Uを持っている方はASUS ROG Rapture GT-AX11000を親機に、RT-AX88Uを子機にするという形で今までは古い方を捨てたり安い価格で売ったりしていたのが活かせるようになります。
僕も自宅で取り入れていますが、電波が中々届かなかった部屋にも効率良く電波を届かせる事ができるので自宅のインターネット環境が劇的に向上しました。
Wi-Fi6と合わせてメッシュWi-FiはIoT時代の重要なキーワード、この機能に対応している点は非常に有意義です。
今やパソコンやスマホだけじゃなく冷蔵庫や電子レンジ、テレビ、レコーダーと家中どこでもWi-Fiが重要な時代!
トライバンド対応
ASUS ROG Rapture GT-AX11000はトライバンド、3つの通信帯域に対応しています。最近売れ筋のWi-Fiルーターは一般的に2.4GHz帯と5GHz帯のデュアルバンドですが、5GHz帯を2つの帯域に分割する事で2.4GHz帯・5GHz帯(W52/W53)・5GHz帯(W56)のトライバンド環境が利用できます。
一般的に2.4GHz帯は障害物にもある程度強く遠いところでも通信ができますが電子レンジに代表される機器と干渉しやすく、逆に5GHz帯は障害物に弱いですが干渉する機器が少なくより高速に通信できます。
つまり可能であれば5GHz帯を利用すべき、その方が速度が出ますし理論的な速度も5GHzの方が高速です(先述したメッシュWi-Fiと組み合わせれば障害物を意識することも無くなり、家中どこでも5GHz環境も構築できます)。
その5GHz帯を更に2つに分割する事で、絶対に通信を途切れさせたくない機器と多少の遅延は許容できる機器をそれぞれ5Ghz帯の2つの帯域に割り振る事ができます。
例えば常時通信が必要なオンラインゲーム、動画視聴をするパソコンだけW56の5GHz帯に割り振りそれ以外は全てW52/W53の方に割り振る、みたいな事が可能。
Wi-Fi6自体も複数の機器の同時通信に強くなっていますが、そもそも物理的に通信帯域を分ける事で安定した通信が可能になります。
多少遅延しても良い機器と絶対に遅延させたくない機器を物理的に分けられるのがトライバンドの特徴!
ちなみにメッシュWi-Fiを使っている時は5GHz帯の1つがメッシュWi-Fi専用回線になるよ!
最大36台の機器を接続可能
ASUS ROG Rapture GT-AX11000は最大36台の機器を接続する事ができます。一般的に36台繋がれば十分余裕があると言えるでしょう、ガジェット機器が好きな僕でも36台あれば十分!
一般的な夫婦と子供1~2人ぐらいの家庭でも足りない!という事は少なそうです。
僕が愛用しているRT-AX88Uは21台、これだと結構足りない事があったので台数拡張はめちゃくちゃありがたいですね!
接続台数は多ければ多いほどGood!
これからWi-Fi接続できるIoT家電はどんどん増えるから余裕を持った機種を選ぼう!
2.5ギガビットWAN/LANポート搭載
NURO光やauひかりに代表される1Gbps以上の回線速度を誇るインターネット回線、フレッツ光も2020年4月から10Gbpsの回線提供を始めます。どんなに高速な回線でもルーターがボトルネックになって速度が出ない、そんな悩みも2.5ギガビットポート搭載機種ならより高速化が期待できます。
特に近年は動画配信需要も高まっていますし、基本的に回線速度は早くて損する事はないですよね!
この2.5ギガビットポートはWAN/LAN兼用なのでNURO光やauひかりのように1Gbps以上の回線の場合はWANポートとして、それ以外はNAS等のネットワークHDD用のLANポートとして切り替えて使う事ができます。
ちなみに市販品で10Gbpsに対応しているルーターは執筆時時点ではまだ無いので、実質現在最高速度が出るポートであると言えます。
別途SFP+というLANケーブルとは違うケーブルを使うものであればNETGEAR NighthawkX10 R9000-100JPSという機種がありますが、それなりに環境整備しなければならないので正直あまり現実的じゃありません、おまけにWi-Fi6にも非対応です。
2.5ギガビットポート搭載はぜひ高速回線で使いたい!
フレッツ光もドコモ光のような光コラボレーションにも対応するみたいなのでかなりのユーザーが恩恵を受けられるかも?
ヘビーゲーマーにも注目の機能が多数
ゲーミングルーターを謳うだけあり、ゲーマーに嬉しい機能が多数搭載されている点も重要なポイント。
ポート開放が必要なゲームを簡単にポート開放できる機能や、PS4/Nintendo Switch等のゲーム機器、パソコンのゲーム通信を最優先で処理する機能等が搭載されています。
esportsが市民権を得たように、今やゲームは趣味の範囲に留まりません。
それに合わせて重要視されるポイントの一つがネット環境、特にルーターの機能はめちゃくちゃ重要。
回線速度の遅延で勝敗が決するなんて事もある時代です、僕も元ネトゲヘビーユーザーなのでここにお金をかけられるかどうかってすごい重要だな・・・と感じています笑。
昔はポート開放も大変だったしラグも酷かった・・・笑。
esports選手を目指すお子さんにも最適
ゲーミングルーターでありながら、保護者に嬉しい機能ももちろん搭載、それがペアレンタルコントロール。
デバイスを指定してそのデバイスのみアダルトサイトのような有害サイトをブロックしたり、時間制限を設ける事が可能。
esportsに取り組むお子さんも増えていますが、同時にインターネットの適正利用は親にとって大きな課題です。
そのコントロールをルーター1台で簡単に実現できるので、非常に安心で便利ですね!
ASUS ROG Rapture GT-AX11000を画像で解説!
それではASUS ROG Rapture GT-AX11000を実際に見ていきましょう!
セット品
まずは本体セット品、買ってすぐに使えるよう各種パーツが付属しています。
- 本体
- アンテナ×8本
- ACアダプター
- LANケーブル
- マニュアル
高速回線ユーザーはLANケーブル買い替えを推奨
NURO光やauひかり等、10Gbpsのように高速回線を利用している方は別途LANケーブルを用意する事を推奨します。付属しているLANケーブルはカテゴリー5E、最大速度は1Gbps。
せっかく2.5ギガビットポートを搭載し回線速度も10Gbpsなのに、LANケーブルがボトルネックになり速度が伸びません。
具体的にはカテゴリー6A、カテゴリー7から選んでおけばOK(基本的に数字が大きくなるほど速いと思っておけばOK)。
ASUS ROG Rapture GT-AX11000本体
無線LANルーターには非常に珍しい正方形型、ASUSハイエンド機種の特徴的な形をしています。
上部にはROGシリーズのロゴが配置されこのロゴはLED点灯が可能、無機質な印象のWi-Fiルーターがちょっとおしゃれになります笑。
このロゴは色はもちろん様々な速度や方法で点灯が可能で全て設定画面から変更が行なえます。
ゲーミングシリーズといえばLED!笑。
本体4側面にあるコネクタにアンテナを接続、アンテナはねじ式で8本の接続はちょっと大変・・・笑。
装着するとこんな感じで、正直めっちゃごついです。
設置場所には少し注意が必要で、正方形なので縦横それぞれ33cm程度。
横置き専用なので前後のスペースを考えると40cm×40cm弱の広さを用意したいとこですね。
正面
本体手前には各種ステータスを表示するLEDランプを配備。
通信トラブル等が起こった時、それがどこで起こったのか一発で判断できるので見やすいLEDランプは絶妙な位置ですね。
視認性も良く、配置さえ覚えておけば遠くからでもある程度状態を把握する事が可能。
例えばWAN側に問題があった場合は左から4番目が赤く点灯するので、ネットに繋がらなかったらひと目で「WAN側に何かしらの問題がある」という状況把握ができます。
左側面
左側面にはWi-Fiのオン/オフ、WPS接続、Boostボタンの3つが配置されています。
Boostボタンはいくつかの機能の中から選んで設定可能。
- LED
- DFS Chanel
- AURA RGB
- Game Boost
最も実用的なのはGame Boost、ボタンを押せば瞬時にゲーム用の通信を優先して処理するモードに切り替わります。
ちなみにこのGame Boostはゲーム以外を優先させる事も可能。
例えばSNSを始めとしたネットワークやVOD(AmazonプライムビデオやHulu、YouTube等のストリーミングサービス)等を優先させる事もできるので非ゲーマーにも利便性ある機能です。
背面
各種ポート類は全て背面にまとめて搭載されています。
左側には電源ボタンやACアダプタの他、USB 3.1 Gen 1(USB3.0)に対応したUSBポートが2つ搭載。
高速な簡易NAS(ネットワークドライブ)等を簡単に構築する事ができます。
右側には2.5Gbps対応のWAN/LAN兼用ポート、WANポート、LANポート4つが搭載されており、WANポートとLANポート4つの計5ポートは1Gbps。
特筆すべきはやはり2.5Gbpsポート、回線速度や活かす事ができる高速通信ポートはこれから1つの指標になりますね。
2021~2022年ぐらいは10Gbps回線がかなり普及するのではないかと予想しているので、その時代が来るといち早くボトルネックになるのはやはりルーターです。
理論値で言えば最大9.6GbpsのWi-Fi6と組み合わせ時、やはりインターネット(WAN)との接続が遅ければ魅力は半減。
そういう意味でもこの機種に2.5Gbpsポートを搭載した事は非常に有意義だと言えます!
ASUS ROG Rapture GT-AX11000の実測値で実力をチェック!
数々の最新テクノロジーを詰め込んだASUS ROG Rapture GT-AX11000、実際の数値で実力をチェックしていきましょう!
なおWAN(インターネット)側の回線は僕が契約しているドコモ光で行なっており、基本的に全て5GHz帯に接続して測定しています。
回線速度実測値
まずは回線速度の実測値。
自宅は総戸数900戸弱のタワーマンションなのでかなり環境に左右されますが、一つの目安とお考え下さい。
ダウンロード | アップロード | Ping |
---|---|---|
66.46Mbps | 94.05Mbps | 7ms |
74.66Mbps | 90.62Mbps | 23ms |
57.28Mbps | 93.19Mbps | 7ms |
82.83Mbps | 93.12Mbps | 24ms |
55.99Mbps | 93.88Mbps | 12ms |
利用者が多いフレッツ光回線ですが、そこそこ安定した速度が出ていますね!
一般的にAmazonプライムビデオやHuluのようなVOD、YouTubeのような動画配信サービスはダウンロードが10Mbpsもあれば快適に利用できるので申し分ない速度です。
オンラインゲームや4K動画配信でもストレスを感じる事はまずないですね!
もちろんauひかりやNURO光、4月から始まるフレッツ回線の10Gbps等だと2.5ギガビットポートを使って更に高速に利用ができます。
総戸数が多いタワマンはどうしても速度が出ないけど、それでもこれだけ出れば動画もオンラインゲームも余裕でOK!
ハイエンドルーターを使えばルーターがボトルネックになることはなし!
iPhone 11 Proで実測値を測定
今度はアプリを使って手軽にiPhone 11 ProとASUS ROG Rapture GT-AX11000間の実測値を測定してみます。
ASUS ROG Rapture GT-AX11000からおおよそ3mぐらいの距離で680~690Mbpsの速度を記録。これはファイルサイズに直すとおよそ87MBのファイルを約1秒でやり取りできる速度で、例えばiPhoneで画像撮影すると平均して3MB前後、30枚ぐらいであれば約1秒。
Wi-Fi6に対応したパソコンやスマホを家族それぞれで持っていれば、圧倒的な速さで写真や動画のやり取りができますね!
1GBの大きなファイルも11秒ちょっとで転送できるよ!
ASUS ROG Rapture GT-AX11000レビュー まとめ
さすがハイエンド、フラグシップモデルだけありASUS ROG Rapture GT-AX11000は性能抜群!
ゲーミングユーザーはもちろん、非ゲーマーでもWi-Fi環境を限りなく良い状態で使う事ができます。
Wi-Fi6、メッシュWi-Fi、トライバンドと詰め込むだけ機能を詰め込んだWi-Fi環境はもちろん、次世代規格とも言える1Gbps以上の回線性能も引き出せる2.5ギガビットポートの搭載も注目すべき点。
価格面で言えば一般的なルーターよりも高い点はネックではありますが、ASUS ROG Rapture GT-AX11000を導入することでインターネットやWi-Fiに関する不満はほとんどが解決するでしょう。
また、もし今ASUSのルーターを使っているならASUS ROG Rapture GT-AX11000の導入で現行機をメッシュWi-Fi子機として使うことも可能(対応機種のみ)。
そういう意味でも買い替えが無駄にならずに済むといういい面もあります。
これから本格的に訪れるIoT時代に向け、ぜひASUS ROG Rapture GT-AX11000で自宅のWi-Fi環境をグレードアップしてみましょう!
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